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未来教育<キャリア教育> どんなキャリアを積んでいきたいか、よりどんなふうに人生を使いたいか、未来教育MM377(2004.12.7)より      鈴木敏恵

未来教育<キャリア教育>

(今から14年前に連載したものです。)

 

 さて、日本全体の学校におけるキャリア教育の動向・・・

 キャリア教育がいま小学校から中学校、高校と一貫的に考えられるようになってきました。研究指定校でもさまざまな試みがされています。職場体験の充実や企業に一定期間いくデュアルなど様々です。

 

1,「したい仕事はなに?」からはじめない

ときどき、子どもたちに「あなたがしたい仕事は何ですか」と子どもに問うところから始めるケースがあります。しかしこれは唐突すぎて、多くの子はそうパッと「私は○○の仕事がしたいです」と言えません。その原因は一つです、いままで「仕事」を意識していなかったからです。意識していない所から何も浮かびません。ですから、はじめに無意識だった「仕事や生き方」を意識させる段取りが要ります。そうはじめに無意識から意識化にもっていくことがスタートのコツです。

 

2,仕事について「仕事の本」や教材から入るケース。

「仕事の本」や教材から入るのはやめましょう。目の前にたくさんの仕事がたくさんあるのだから、まずは子ども自身の目でそれを発見していくことをどんどんしたらいいでしょう。

 

3,ヤリッパナシ職業体験

またどんなに価値のある体験でもヤリッパナシだったり、前と後の押さえがないこと・・・事前に意識も深い考えもなく職場体験することの「惜しさ」+「相手への失礼さ」。どんな体験でも素晴らしく価値があると私も思っています、しかし職場や社会体験である限りそうも言ってられません。なにせ訪問先の相手は生活抱えて働いているのですから。そこに子どもが「体験しに行く時」でもそれそうとうの心や態度の準備がいるでしょう。

 

4,とにかく本気で仕事している大人の存在が大事

またある仕事の専門家をゲストティーチャーでお招きするときもしっかりと最小限のねらいは先生にいるはずです、価値ある時間となるかどうかは、その意図や周辺のデザインがものをいいます。なにより子どもたちの目に映る大人(先生方や私たち大人たち)が本気で真剣に仕事し、ときに苦しんだり困ったり、必死だったりしても、合間や最後に心からやりがいを感じ、夕方のビールを上手そうに飲んで嬉しそうしている大人が身近にいればこそ子どもたちは、仕事や大人を自然に受け止め、自分も真似る(学びは、まねび)ことでしょう。

 

 

 

 鈴木敏恵が考える学校における≪キャリア教育実施---注意すべきポイント≫

 

 1,「現実」を見ず、「教本」から入る危うさ

 2,ヤリッパナシ職場体験

 3,いままでの時代の仕事や生き方から発想しない

 4,職場体験学習の前後の甘さ

 5,アタエラレッパナシのゲストティーチャーのもったいなさ

 6,仕事を意識していないのに仕事を考えることはできない

 7,自分を活かすということの覚悟

 8,小学校、中学校、高校などで分断しているキャリア教育

 9,不安やオドシから入らない、夢や喜びや誇りから入る

10,条件、理屈、データ、こざかしさで未来を選択しない

11,あんまり「しごと、しごと」と言わない。大切なのは夢をもつ心!

12,教えるより、見せる、真剣に生きている大人を!

                    ...etc

 最近私が考えていることは、やっぱり総合的な学習(未来教育プロジェクト学習)こそ、彼らの人間的な何かを揺れ動かし、それゆえに確実に未来への力になるということです。

 

「学力」「教科」等々の話題より、やはりずっとここに心引かれます、なぜなら、それは自由であり、可能性に満ちているからです。なにより毎回毎回オリジナルな味が実に魅力的です。それは決まり切った筋書きのないドラマのようです。未来教育プロジェクト学習のフェーズに添っておこなうことはセオリーですから基本ですが、それはプラットホームですので、そこでどんなドラマが展開するかは、その土地や子どもたちや時代や先生の展開などのさまざまな因子でみごとに個性的なストーリーとなります。

なにより価値を感じるのは、未来教育プロジェクト学習には「正解」というものが無いからです。世の中の殆どのことは「正解」がありません。こどもたちはいずれこの正解のない世の中という所に旅立ちます。「正解」がない、そこで頼りになるものは一つだけです、「自分の考え」です。自分の考えをもつためには、他の考えを知ることが欠かせません。そして知識だけでなくそれを活かした経験が必要です。ここにプロジェクト学習が生きます。それは世の中の多様性や複雑性を教えてくれます。それはとても価値あることです。正解などないのです、じゃあどうしたらいいか、「自分の頭で考えること」です。

世の中を生きていくためには「自分の考えを持つこと」「自分の頭で考えること」、様々な意見や情報をもとにしても、最後は「自分の判断」こそすべてです。この力を提供できるのが21世紀の教育といえるでしょう。

真のキャリア教育を考えるなら、キャリア教育に終えないことが大事でしょう。

この世の中で自分の頭で考え生きていける力を育てることこそ、本当のキャリア教育になると私は確信しています。考える力があれば人生の様々な局面でよりよい選択をするときに役立ちます。

 

☆     ☆     ☆

 

どんなキャリアを積んでいきたいか、よりどんなふうに人生を使いたいか、

何を見つめ、どんなことに価値を見いだしどう生きたいか、何のために生きたいか

自分の心を静かに見つめるほうが本質的でずっと大事でしょう。

キャリアは社会や企業や組織の中では意義をもちますが一番大事なのは自分自身の心の奥が価値を感じ満ちるような人生をおくることでしょうから....

     鈴木 敏恵  

 

■未来教育MM377☆<キャリア教育>にポートフォリオを…2(2004.12.7)より

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