「意志ある学び」を叶えるプロジェクト学習や対話コーチング、ポートフォリオ。…創造性のある未来をかなえる哲学など未来教育の知的活動や新しい情報をお伝えします。http://www.suzuki-toshie.net/
■ 講演 鈴木敏恵/フィンランド教科書展示
2012年8月18日 「未来教育プロジェクト2012 講演会」
フィンランド小学校
【リライト】
S) 日本の教育会では、いま子どもたちに知識を与えたり、わからせるのではなく、コンピテンシーを身に付けるようにいわれていています。日本では、コンピテンシーとは、自ら獲得した知識とかスキルを現実にいかせる力という感じなんですけれど、ユリウス君は、コンピテンシーというとどのようにイメージしていますか?
S) やりたいから、うまくできる。
Y) やる気がなくて、何かむりやりしても、結果はあまりよくない。と思います。
S) 能力は、頭のなかにあるわけじゃないですか、でもコンピテンシーは、それをやる、とか、できる、ということだから、その能力をいかせるためにも、やるぞ、とかそして、やるときには、もっとうまくできるし、という感じですよね。先生たちが、コンピテンシーを子どもたちに持ってほしいなー、って思ったら、どんな先生だったらいいと思う?
Y) やる気は、自分から発生しないと意味がないと思います。つまり、生徒を放っておくというか、生徒の自由に能力を使って、ベストをしてください、という感じです。その生徒が自分の能力を自分で超えるべきに励ますべきだと思います。
S) 能力を超えるべきにというは、すぐにできなかったり、困難があったりしても、自分でできるように、ということ?
Y) 自分の全力を使う。中途半端はあまり賛成できません。
S) コンピテンシーって、もともとただできるんじゃなくて、もっとよくするというか、最善でするというか、そういうニュアンスもあるよね。
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■ 講演 鈴木敏恵/フィンランド教科書展示
2012年8月18日 「未来教育プロジェクト2012 講演会」
■ 書籍
書籍:『プロジェクト学習の基本と手法―課題解決力と論理的思考力が身につく』 (抜粋ページ)184~187P
■ web
フィンランドのユリウスさんと日本の先生たちとの交流 鈴木敏恵
■ 講演 鈴木敏恵/フィンランド教科書展示
【収録】2011年6月18日収録動画。<鈴木敏恵とフィンランドの若者ユリウスの対話>
【協力】 動画撮影・リライト:藤井基博/編集ほか:金野稔/写真撮影ほか:加藤由美
S) ユリウス君は、プロジェクト学習をフィンランドでやったけいけんはありますか?
Y) あります。中学校3年生のときに、先生がこういうプロジェクトをだしました。ふつうのアルミ缶から、数学的な面と、物理学的な面と、経済的な面を調べて、まとめることでした。正確には、数学のプロジェクトだったのですが、(アルミ缶1つとっても)社会的な内容もあるし、物理学的な内容もあるし、いろいろな分野の(知識を)使えて、おもしいなー、と思いました。
S) インテグレート(統合)して、数学は数学だけ、経済は経済だけではなく。
たとえば、物理でいうと、このアルミ缶の素材とか・・・?
Y) そうです、アルミの化学的な点から、どうしてアルミを使うのか、どうして鉄を使わないのか。どうして、アルミ缶がその形で、どうしてもっと高くないか、どうしてもっと太くないか
S) 円筒形なら数学だし、社会的には流通とか?
Y) そうです。アルミはどこからもらいますか?、アルミのリサイクルはできますか?、どうできますか?、などのことを調べました。
S) それは、論文みたいな形でだすの?
Y) そうです。基礎研究のようにまとめて、先生にだします。
S) 制限があるわけですね。そうすると大事なことは、そのなかに入っていないといけないですよね。量がたくさんあっては、だめということですよね。そして、先生は、それをどう評価するのでしょう?
Y) 評価は、まず、
・書いてあることが、正しいか。
たとえば、数式が誤っていたら、減点になるでしょう。S) わかりやすいということは、ロジカルシンキングというか、話の組み立てが、理解しやすいとか?
Y) そうです。たとえば、はじめは「アルミは、どこからきますか?」そして、「リサイクルの方法」。これが、逆だとおかしいですよね。まず、手に入れて、捨てて、リサイクルするのが順番でしょう。
S) なるほど、おもしろいね。だから、テキストのチェックではなくて、知的に知識や情報を構築する必要がありますよね。そして、それはたんに調べたことではなくて、クラス中がそのテーマでやったとしても、一人ひとりマイテーマはちがうわけですよね。アルミ缶の「何」について?
Y) 研究の結果がどういう形で書かれるか、人によってちがうと思います。
S) 全員違うものね。そして、コンピュータや新聞をみたり、このアルミ缶だけを見て、書けるわけではない。
Y) そうです。インターネットを使ったり、実際のアルミ缶を持ってみたりします。
S) こうやって、見たり、さわったり、たたいたり、リサイクルの印がついているな、とか生活のなかで、とかね。何かを学んだり、何かを追求したり、プロジェクトって、無から有を生みだすようなところがあるわけじゃないそして、正解があるわけじゃない
Y) そうです。プロジェクトというのは、実は、向き不向きがあります。最初は、暗くて、どうしたらいいのかなっと思って、どんどんプロジェクトを進めて、いろいろ情報を集めて、そのすべてを組み合わせて研究とか解決とかその人の(テーマに)なっていくでしょう
S) すごいね。これ1つは、ただのアルミ缶じゃないですか。これ「アルミ缶」だけじゃ、目標にならないよね。どういうのが、具体的に目標なの?
Y) それは、たとえば、さきほどのテーマなら、アルミ缶の経済的な、数学的な、物理学的な場面を研究してまとめなさいということでした。
S) 目標も自分で考えるし、そこまでのプロセスもだんだんと情報や考えたりしながら、明らかになっていく。最後に、まとめるというのも、たんに長い文書をまとめるのではないんでしょ。
Y) この研究のいちばん大切なことは何か。そういうまとめですね。
S) プロジェクト学習は、自分をもっていないとできないじゃないですか。それは、自分の考えをもっていないと、できない。先生のいうことを従順に聞くだけじゃ、なかなか、、えー、どうしたらいいの? このアルミ缶? 先生、わたし、何したらいいの?ってなってしまう。
Y) そうです。先生に教えてもらっているだけではなくて、自分で習う必要があります。習うことは、自分の責任です。先生がただの指導者です。
S) このプロジェクト学習における8枚のアウトカムは、このなかに情報の根拠みたいなことはないの?
Y) 出典のことですね。出典がないと、ふつうは0点になります。
S) 内容がすべてよくても、出典がないと、0点になっちゃうんだ!
Y) 自分で書いた評価なら、出典はなくてもいいのですけれど、科学的な研究だと、出典がないとこれは、どこからとったのか、わからないからやりなおしをしてください。と、ぜったいにいわれます。
S) プロジェクト学習は、ある意味、社会的な学習。だから、科学的であり、社会的であり、いつどこで、それが起きたのか、必ずそれを添えないと、ロジカルシンキングもすべてが、はじまらないし、崩壊してしまう。だから、ユリウス君と話すと、いつも「わたしは、こう思います。なぜならば・・・」と必ず根拠、エビデンスをお話するので、クリティカルシンキングや、メディアリテラシーなど、フィンランドの教育の成果かな、といつも感じています。
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■ 講演 鈴木敏恵/フィンランド教科書展示
2012年8月18日 「未来教育プロジェクト2012 講演会」
■ 書籍
『プロジェクト学習の基本と手法―課題解決力と論理的思考力が身につく』(抜粋ページ)184~187P
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フィンランドのユリウスさんと日本の先生たちとの交流 鈴木敏恵
フィンランドのマリッカさんに聞くプロジェクト学習 鈴木敏恵
■ 講演 鈴木敏恵/フィンランド教科書展示
そのことに対して、フィンランド人である、あなたはどう思いますか?
Y) 考えないことは何ですかもし誰かが、考えることは嫌いだ。といったら、すごくおかしいと思います。考えるのは、何なんでしょう?
S)酸素みたい?
Y) 考えないことは、何なのか、すごく迷います。
S) 考える力を身に付けよう、と教育でよくいうのですよ。だけど、考える力は授業のなかで身に付けるのではなくて、何を見ても、何を聞いても、これは何かなとか、これはなぜかなとか、どんな意図があるのかな、とかこの世は知の果樹園にいるようで、成長したい、やりたいと思っているからこそ 知りたいとか考えるってことが近くにある気がします。
Y) 考えるっていうのは、好奇心が重要だと思います。 どうして? なぜ? ということを聞いてその、もっといろんなことを知るようになれば、考えるでしょう。そして、好奇心があって、たとえば、僕はただの中学生で、これ以上できない、というのはおかしいです。
S) どうしておかしいの?
Y) 自分にそういう限界をつけるのは、意味がないと思います。
S) 限界ないしね。
Y) ただの中学生とは
S) それは、きっとそういう中学生がいたら、まわりがちょっと否定的なことをいったり合っている、合っていないとかジャッジしてしまったりして、その子が考えるのを嫌いになっちゃったりする自信を失っちゃったのかもしれないよね。 もったいないよね。
S) そうか、考えるだけじゃなくて表したり、出したりしたら、見えるっていうことですよね。考えるっていうことは、好奇心っていったじゃない、考えるっていうのは、あれはなぜだろう?とか知るとか、まさしくリンゴを捥ぐみたいに情報を自分のなかにいれて、考えるとは知と知を結びつけて、何らかの答えを生みだすということじゃないかな、と思うんです。考えることと情報は関係していると思うんだけどどう思う?
Y) 情報っていうのは、データというイメージがします。情報とは、この机は黄色です。これは情報です。どうして黄色なのか?何のペンキで塗ったのかな?
そのわからないのは、情報を使うということではないでしょうか?
S) フィンランドに限りませんが、情報を知識に変える、という言い方をします。だから、ただのインプットじゃなくて、自分のなかの新しい知識と、既存の知識とカチって、ピピピピピって、あーってこんな感じかな。
Y) 情報はもともと頭にもっていないと前から持った情報がないと知識がどういう変化がおこるのか情報が知識を作ります。
S)日本では、虫食いとか。虫食いわかる?
Y) マル、バツ。
S) そうマル、バツ。とかここに何かいれなさいとか5つから選ぶとか。フィンランドは記述式が多いじゃないですか
Y) すべてそうです。
S) そうなんだ!多いとかじゃなくて、すべてそうなんだ。90%の感じですね。書くっていうのは、考えないと書けないよね。
Y) そうですね。考えずに書いたら、どうなるかなって。
S) コピペって、入れてすぐにだすんじゃなくて、インプット・アウトプットじゃなくて、インして、熟成したり、発酵させて、ああかな、こうかな、ってして、アウトプットという感じよりアウトカムという感じ?なんか実りって感じ。
Y) たとえば、教科書があって教科書をちょっと変えて書いても先生からただ写したんじゃないかって。いうかも知れません。そして、ただ数学の場合は、
テストにでる問題は、いつも初見です。教科書に載った問題は、絶対にありません。
S) 教科書のなかに、よく関連する本を読みましょうとかよくでているよね。1個のものに対して、多面的にとらえて、獲得した学びを普遍的な、本質的なものに変えようねっていうような感じの教科書になっているよね。だから、オススメの本とか関係する知識とか、この単元の終わりの方に書いてあるよね。
Y) そうです。もっと知りたかったら、この本がオススメです。とくに国語の本には、そういうページが多いです。
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2012年8月18日 「未来教育プロジェクト2012 講演会」
■ 書籍
書籍:『プロジェクト学習の基本と手法―課題解決力と論理的思考力が身につく』(抜粋ページ)184~187P
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■ 講演 鈴木敏恵/フィンランド教科書展示
S)フィンランドに二度行って、教科書を手に入れました。
たくさんあるんですけれど、これらは、ユリウス君が使っていた教科書です。
これは、4年生のときの教科書です。めくります。
めくりますと、単元があって
たとえば、これをピューッと見て、これは何て読むの?
Y)これは、劇をするプロジェクトです。
S)発音は何て言うの?
Y)プロジェクト
S)それフィンランド語?カッコいい
Y)これは、アニメーションのプロジェクトです。
S)こっちは?
Y)辞書です。
S)何かやったり、生みだしたり、コンピテンシーっていう感じよね。
Y)どうできるか。知識を得て、能力を得て、
S)その前にこのプロジェクトが下にあって、その前に、本とか文章とかあって、
終わりの方に、プロジェクトで出してみようみたいな感じなんだよね。
入れっぱなしじゃないんだよね。
Y)プロジェクトには絶対に「関係」があります。この辞書の場合には、フィクションとノンフィクションがあります。
S)フィクションとノンフィクションの辞書をクラスで作ろうみたいな
って感じでやっているんだよね。これはちょうど授業を見させていただいて、
非常にユニークで楽しい授業でした。
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■ 講演 鈴木敏恵/フィンランド教科書展示
2012年8月18日 「未来教育プロジェクト2012 講演会」
■ 書籍
書籍:『プロジェクト学習の基本と手法―課題解決力と論理的思考力が身につく』(抜粋ページ)184~187P
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■ 講演 鈴木敏恵/フィンランド教科書展示
Y ユリウス) こんにちは、日本のみなさん。僕は、フィンランドから来ました留学生で、ユリウスと申します。日本に来て9ヶ月経って、 日本の高校をいろいろと経験できました。日本とフィンランドの学校の違いを今日は話をさせていただきます。
S 鈴木敏恵) ありがとうございます。私はユリウス君と何回もあって、会話をして、一番思ったことは、フィンランドの教育をいろいろと研究しながら、フィンランドの教育がいちばんいいな、と思えることは、クリティカルシンキング、というキーワードなのです。ユリウス君は、クリティカルシンキングというとどういうイメージを持っていますか?
Y) クリティカルシンキングというと自分の頭を使っているというイメージがします。クリティカルシンキングとは、情報をそのまま納得しないことです。情報について、誰が言ったか、いつ言ったか、どうして言ったか。いろいろ考えて、その情報を受け取ることだと思います。
あくまでも、情報とはシンク?真空?のなかで発生するものではなく、 人がいう、人が書く。その情報には、パスポートのようなものが付いています。情報のパスポートには、どこから、誰から、などの情報が入っています。
S) それを確認するわけですね。すぐに情報をパッと、頭にいれるのではなくて、パスポートって、チェックしているじゃないですか、
あなたは、どこの国から来たんですか?、どんな仕事をしているのですか?みたいに。そして、確かだろうが、確かでなかろうが、
それを確認するということが、大切。情報にパスポートが、付いている。
すごく面白い。それ、自分で考えたの?
Y) ええ、たとえです。
S) クリティカルシンキングは、「シンキング」も付いているじゃないですか。 そこのところは、どう思う?
Y) 情報を受けて、情報をどう考えるか。考えていくかということです。クリティカルというとすぐに、批判として、捉えられてしまいますけど、誤訳ですね。実は、クリティカルとは、ネガティブなイメージではなく、自分で考えるというイメージも入っています。
S) 日本語で、辞書で「クリティカルシンキングとは」って調べると、情報に対して、批判的に、と出ていて、
相手が悪い人、悪いものというイメージですよねだから、いいとか、悪いとかではなくて、冷静にという、ことですね。
Y) そうです。そして、情報がいつも、誤っているのか、正しいのか善と悪の問題ではなくて、人々がいいことをやりたくて、意志が正しくても、情報が間違っている可能性があって、誤っている情報は、誰かその人が誤っているとは、限られていません。
S) だから、情報を提供する側も、わざと悪い気持ちで、インチキな情報をだしているのではなくて、その人がその人の考えで出しているというわけ。
Y) はい
S) 私、NHKは正しくて、新聞も信じていていたの。でも、つい最近になって、そうでもないかな、ってつくづく思って、それもこんな大人になって思ったのですよ。フィンランドでは、私のように、こんなに丸ごと信じちゃうことは、ないわけ?
Y) そうです。 やはり、1つの話題について、2人の専門家が対立した意見を述べていると、このことは、解決していないですね、と思います。そして、どんなに大きな報道局の人でも、誤りをしますね。
S) そうですね。だから、考えつづけるというか、いつも冷静に情報に対座して、考える姿勢をもっているということが大事というか、
クリティカルシンキングとは、考えるためには、情報が必要です。ということですね。すごく喩えが上手。
Y) ありがとうございます。
◇ フィンランド教育…クリティカルシンキングがベースにある
◇ クリティカルシンキングとは、情報をそのまま納得しないこと。
◇ その情報は「誰が言ったか、いつ言ったか、どうして言った」を考えよう
◇ 確かだろうが、確かでなかろうが、それを確認するということが大切。
◇ 情報のパスポートを確認しよう
◇ 情報を受けて「情報をどう考えるか、考えていくか」
◇ 情報が、正しいのか善と悪の問題ではない
◇ 誤っている情報でも、その人が誤っているとは限らない。
◇ その人がその人の考えで出していることもおおい。
◇ どんなに大きな報道局の人でも誤りをする、人間だから。
◇ 情報に対座して「考える姿勢」が大事|||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 【 関連 情報 】 ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■ 講演 鈴木敏恵/フィンランド教科書展示
2012年8月18日 「未来教育プロジェクト2012 講演会」
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フィンランドのユリウスさんと日本の先生たちとの交流 鈴木敏恵
■ 講演 鈴木敏恵/フィンランド教科書展示
【リライト】
S)学校行って、フィンランドの学校を見させてもらって子どもたちが自主的に動いているのを見させてもらって、はーっと思ったんだけど。
あなたにとって学校ってどういうところでしたか?
あるいは、教育ってあなたに何をもたらしてくれましたか?
Y)僕は学者(学ぶ人)だと思っています。いろいろなことを学ぶのは好きです。
学校にはすばらしいことがあって、学校は自分を強くする自分に嫌なことを与えてくれていると思います。学校がなければ、僕の人生はこんなに豊かにならなかったと思います。
そしてやはりいい国をつくるために、いい環境をつくるために教育というのは絶対に必要ですね。
S)日本の学校もすばらしいと思っていて、ただやっぱり、1つ思うのは、受験とか、テストっていうのは、学校の近くのゴールになっちゃう気がして、それはどう思う?
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■ 講演 鈴木敏恵/フィンランド教科書展示
2012年8月18日 「未来教育プロジェクト2012 講演会」
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書籍:『プロジェクト学習の基本と手法―課題解決力と論理的思考力が身につく』(抜粋ページ)184~187P
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フィンランドのユリウスさんと日本の先生たちとの交流 鈴木敏恵
■ 講演 鈴木敏恵/フィンランド教科書展示
S) 日本に約1年居ました。フィンランドの学校と日本の学校。教室や先生の違いなど、ありましたら、感想をどうぞ。
Y) 日本人は、講座が多いですね。先生が話をして、教科書の音読して、生徒が聞いて、ノートをとる姿が多いですね。その学習方法がいい場合もありますけれど、いつもそうすると、自分の思考はあまりないですね。
S) 与えられている感じ
Y) はい。教科書の音読は意味が不明です。教科書の字は自分でも読めますから、音読してくれても、まあ、ありがとうかな、という感じですね。
S) それは私も思いました。日本では、とても大事にします。こうやって、立ってみんなの前で読むんでしょ。
【対話】
S:鈴木敏恵) (日本とフィンランドの学校の違い)あと、手を上げるのも違くない?
Y) 先生が「ボランティアやってくれる人いますか」といっても、あ、手上げた。
めずらしい、クラスの風景です。手を上げるのは、めずらしく見えます。
和が壊れたということです。
S) めずらしがられたら、その子は手を上げられないよね。
Y) 手を上げることはめずらしいことではなくて、ただの習慣になるといいと思います。
S) 答えがわかる、わからないではなくて、「ボランティアやってくれる人」
「行きたい人」あらゆる意味で手を上げるっていうことは、自分の考えを表明することでもあるじゃない。だから、自分の考えをもっていないと手はあげられないよね。自分の考えを持つっていうのは、どういうことかってね。これがいまの日本の子どもたちや若者たち、自分も含めて考えをもっているか。このことについて、ひとこと。自分の考えを持つためにはどうしたらいいのか。
Y) 自分の考えを持つためには、考えを持つことは、恥ずかしいことではなくて、
どのくらいの偉い人に見えても、先生も人間ですね。自分も人間ですから、同じことができます。そういう自分の考えをもつということは、友達がすごいことをして、僕も同じことができる、もっとよくできるそういうやる気、挑戦します。
S) そのことを先生は、とてもうれしいと思ってくれるというか勉強ができるできないとか、テストがではなく、チャレンジしてくれることを評価してくれる。
まさしく一人ひとり違うということを前提として、ああ、そういう考えもあるのか。いいねー。と、先生も空気を作ってくれる
Y) 開いている空気といいます。閉じている空気は重い感じがして、何言ってんのお前、みたいな感じだと、じゃ、話さない。という感じになります。
先生が、面白いね!つづけて、という相づちを打ったら、もっと言いたくなるでしょう。
先生と生徒たちが対立しているわけではないです。先生と生徒たちは同じ側です。
S) 先生はときどき、勇気を与えてくれたり、空気を動かしてくれたり。
その人がその人の考えをいったり、感情を詳しく説明したりまさしく評価を正しくしてくれる。
そうすると自信をもって、考えたり、いったりしたくなる、
Y) 先生には励ます任務があると思います。もし、生徒がちょっといまうまくできない、と思ったら先生は、もっとよくできるんじゃない?と問うべきだと思います。いつも「すごい、すごい」というだけではなくて、ときどき「もっとすごくできるんじゃないか」
) 「もっとすごくできるはずだよね」って。できる、できないってことじゃなくて、そのシーンにある、その状態にあるっていうことだけだよね。
ユリウス君の話を聞いていると現場の先生たちももっともっと子どもたちを伸ばして上げたいなという気持ちが高まります。ありがとうございます。